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かづきけむ袂は雨にいかがせし
濡るるはさても思ひ知れかし

歌の意味
雨よけに頭にかぶったという袂は、雨にどうなったことか。濡れるとはそういうものだと、それにつけても思い知ってほしい。
鑑賞
巻第九 雑歌上 317

 雨の中を袂を頭にかぶってやって来たらしい相手に、その袂は雨にどうなったかと問い、濡れることのつらさを思い知ってほしいと詠む一首である。雨に濡れた相手の袂に、涙に濡れる自分の袖を重ね、待つ身のつらさを訴えている。

 初句「かづきけむ」は、頭にかぶる意の「かづく」に過去伝聞の「けむ」が付き、かぶったという袂をいう。
 二句「袂は雨に」は、係助詞「は」で袂を取り立てる。
 三句「いかがせし」は、過去の「き」の連体形で、どうなったのかと問う三句切れである。
 四句「濡るるはさても」は、濡れるということはという意で、「さても」でそれにつけてもと続ける。
 結句「思ひ知れかし」は、命令形「思ひ知れ」と念を押す終助詞「かし」で、思い知ってほしいと結ぶ。

かづく:頭にかぶる
たもと:袖
出典
詞花和歌集
前の歌
よしさらばつらさは我にならひけり 頼めて来ぬは誰か教へし
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深くしも頼まざらなむ君ゆゑに 雪踏み分けて夜な夜なぞ行く