いかなれば同じ流れの水にしも
さのみは月の映るなるらむ
- 歌の意味
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どうしてなのだろう。同じ流れの水であるのに、そこにばかり月がそうも映っているのは。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 321
同じ流れの水であるのに、なぜそこにばかり月が映るのかと問いかける一首である。詞書がなく詠作の事情は明らかでないが、同じ流れでありながら月の映り方に違いがあることへの不審を述べ、何かにことよせた思いをほのめかしている。
本巻の第二百九十首も、水に映る月を詠んでいる。
初句「いかなれば」は、どうしてなのかという疑問を表し、結句の「らむ」と呼応する。本巻の第二百九十九首も同じ初句で始まり、月のありさまを問いかけている。
二句「同じ流れの」は、同じ川の流れをいう。
三句「水にしも」は、強意の副助詞「しも」で、同じ流れの水であるのにと強調する。
四句「さのみは月の」は、そのようにばかりという意で、月の映り方を限定する。
結句「映るなるらむ」は、断定の「なり」と現在推量の「らむ」で、映っているのはなぜだろうかと結ぶ。
ながれ:川の流れ
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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秋はみな思ふことなき荻の葉も 末たわむまで露は置くめり
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住吉の細江に差せるみをつくし 深きに負けぬ人はあらじな