住吉の細江に差せるみをつくし
深きに負けぬ人はあらじな
- 歌の意味
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住吉の細い入り江に立ててある澪標のように身を尽くして、深い思いに負けない人などいないだろうよ。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 322
住吉の細江に立つ澪標が深い水に立ち向かうさまを、身を尽くす恋の深さに重ね、深い思いに負けない人はいないだろうと詠む一首である。「澪標」と「身を尽くし」を掛け、恋の深みにはまっていく人の心を、水路の深さになぞらえている。
本巻の第三百二十九首も住吉を詠み、住吉の波に浸る松を描いている。
初句「住吉の」は、摂津国の歌枕である住吉をいう。
二句「細江に差せる」は、存続の「り」の連体形で、細い入り江に立ててある様子を表す。
三句「みをつくし」は、水路を示す杭である「澪標」と、「身を尽くし」とを掛けている。
四句「深きに負けぬ」は、水の深さに負けない意と、深い思いに負けない意とを重ねている。
結句「人はあらじな」は、打ち消し推量の「じ」と念を押す「な」で、そのような人はいないだろうと結ぶ。
みをつくし:船の通る水路を示す杭の「澪標」と、「身を尽くし」を掛ける
ほそえ:細い入り江
- 作者
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相模
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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いかなれば同じ流れの水にしも さのみは月の映るなるらむ
- 次の歌
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降る雨の足とも落つる涙かな こまかにものを思ひ砕けば