よの中にふるかひもなき竹の子は
我がつむ年をたてまつるなり
- 歌の意味
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世の中に生きながらえている甲斐もない竹の子のようなこの子は、筍を摘むように、自分の積み重ねてきた年を、あなたに差し上げるのです。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 331
竹の子(筍)を贈るにことよせ、生きる甲斐もない子である自分は、自分の積み重ねた齢を差し上げて、相手の長寿を願うと詠む一首である。父の冷泉院に筍を献じた折の歌と伝えられ、「竹の子」に冷泉院の子である自分を重ね、親の長寿を願う孝心を表している。
次歌の第三百三十二首は、これに応じた冷泉院の歌と伝えられ、二首は親子の贈答として並べられている。
初句「よの中に」は、世の中の意の「世」と、竹の節の間をいう「節(よ)」とを掛け、三句の「竹」と縁語をなす。
二句「ふるかひもなき」は、時を「経る」意の「ふる」で、生きながらえる甲斐もないという意を表す。本巻の第三百三十五首も同じ句をもつ。
三句「竹の子は」は、筍の意に、子である自分を重ねている。
四句「我がつむ年を」は、自分の積み重ねてきた年を「積む」意と、筍を「摘む」意とを掛けている。
結句「たてまつるなり」は、断定の「なり」で、差し上げるのですと結ぶ。
よ:世の中の意の「世」と、竹の節の間をいう「節」を掛ける
ふる:時を経る。生きながらえる
つむ:年を積む意と、筍を摘む意を掛ける
たけのこ:筍。子である自分を重ねる
- 作者
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花山院
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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いかでかくねを惜しむらむ菖蒲草 うきには声も立てつべき世を
- 次の歌
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年経ぬる竹のよはひを返しても このよを長くなさむとぞ思ふ