年経ぬる竹のよはひを返しても
このよを長くなさむとぞ思ふ
- 歌の意味
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年を経た竹のような老いたわたしの齢を返してでも、子であるあなたの世を長くしてやろうと思う。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌上 332
前歌の、子が自らの年を親に捧げるという歌に応じ、年を経た自分の齢をかえって返してでも、子の世を長くしたいと詠む一首である。冷泉院が花山院に返した歌と伝えられ、子の孝心に対し、子の長寿を願う親の慈愛で応えている。
初句「年経ぬる」は、完了の「ぬ」の連体形で、年を経たという意を表す。
二句「竹のよはひを」は、年を経た竹の齢をいい、老いた自分の齢を重ねている。
三句「返しても」は、前歌で捧げられた年を返してもという意を表し、贈答の応答となっている。
四句「このよを長く」は、「この世」と、子の命をいう「子の世」とを掛け、「よ」には前歌と同じく竹の「節」も響かせている。
結句「なさむとぞ思ふ」は、意志の「む」と、係助詞「ぞ」と連体形「思ふ」による係り結びで、長くしようと思うと結ぶ。
よはひ:年齢、齢
このよ:「この世」と「子の世」を掛け、竹の「節(よ)」も響かせる
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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よの中にふるかひもなき竹の子は 我がつむ年をたてまつるなり
- 次の歌
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悪しかれと思はぬ山の峰にだに 生ふなるものを人のなげきは