かくしつつ今はとならむ時にこそ
悔しきことのかひもなからめ
- 歌の意味
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こうして日々を過ごしながら、いよいよ最期という時になってこそ、悔やんでもその甲斐もないことだろう。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 356
このようにして無為に日を送り、いざ臨終という時になって悔やんでも、もはや何の甲斐もないだろうと自らを戒める一首である。後の世のための勤めを先延ばしにする心をかえりみ、今のうちに道を求めるべきだという思いがこめられている。
初句「かくしつつ」は、反復継続の「つつ」で、このようにしながらという意を表す。
二句「今はとならむ」は、推量の「む」の連体形で、いよいよ最期という時になるだろうという意を表す。
三句「時にこそ」は、係助詞「こそ」でその時を強く取り立てる。
四句「悔しきことの」は、悔やまれることをいう。
結句「かひもなからめ」は、推量の「む」の已然形「め」で「こそ」を受けて結ぶ係り結びで、悔やむ甲斐もないだろうと結ぶ。
いまは:今はこれまでという時。臨終
かひ:効き目、甲斐
- 作者
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花山院
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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よそに見し尾花が末の白露は あるかなきかの我が身なりけり
- 次の歌
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夕暮れはものぞ悲しき鐘の音を 明日も聞くべき身とし知らねば