鶯の鳴くに涙の落つるかな
またもや春に逢はむとすらむ
- 歌の意味
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鶯が鳴くのを聞くと涙がこぼれ落ちることだ。またふたたび春にめぐり逢うことができるだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 358
春を告げる鶯の声を聞いて涙を落とし、来年もまた春に逢えるだろうかと危ぶむ一首である。鶯の声という春の喜びが、かえって残り少ない命を思わせる悲しみとなっている。
本巻の第三百五十二首も「またもや逢はむ」と、ふたたび春に逢うことを危ぶんでおり、花と鶯とで同じ思いを詠み分けている。
初句「鶯の」は、春を告げる鳥である鶯をいう。
二句「鳴くに涙の」は、格助詞「に」で、鳴くのを聞くとという意を表す。
三句「落つるかな」は、詠嘆の「かな」による三句切れである。
四句「またもや春に」は、係助詞「や」で疑問を示す。本巻の第三百五十二首の「またもや逢はむ」と対応する。
結句「逢はむとすらむ」は、推量の「む」と現在推量の「らむ」の連体形で「や」を受けて結ぶ係り結びで、逢うことができるだろうかと結ぶ。次歌の第三百五十九首も「とすらむ」で結ぶ。
うぐひす:春を告げる鳥
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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夕暮れはものぞ悲しき鐘の音を 明日も聞くべき身とし知らねば
- 次の歌
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皆人の昔語りになりゆくを いつまでよそに聞かむとすらむ