皆人の昔語りになりゆくを
いつまでよそに聞かむとすらむ
- 歌の意味
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知る人がみな亡くなって昔語りになっていくのを、わたしはいつまで他人事として聞いていられるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 359
親しい人々が次々に世を去り、昔語りの中の人となっていくのを、自分はいつまで他人事として聞いていられるのかと詠む一首である。やがて自分も語られる側になるという無常の思いがこめられている。
前歌の第三百五十八首と同じく「とすらむ」で結ぶ。本巻の第三百五十五首の「よそに見し」と同じく、他人事であったものがわが身に及ぶ思いを詠んでいる。
初句「皆人の」は、すべての人をいう。
二句「昔語りに」は、昔の話をいい、亡き人として語られることを示す。
三句「なりゆくを」は、なっていくのをという意を表す。
四句「いつまでよそに」は、いつまで他人事としてという意を表す。本巻の第三百五十五首の「よそに見し」と対応する。
結句「聞かむとすらむ」は、推量の「む」と現在推量の「らむ」で、聞いていられるのだろうかと結ぶ。
むかしがたり:昔の話。亡き人の話
みなひと:すべての人
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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鶯の鳴くに涙の落つるかな またもや春に逢はむとすらむ
- 次の歌
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この世だに月待つほどは苦しきに あはれいかなる闇に惑はむ