おぼつかなまだ見ぬ道を死出の山
雪踏み分けて越えむとすらむ
- 歌の意味
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心もとないことだ。まだ見たこともない道を、死出の山の雪を踏み分けて越えていくことになるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 361
死後に越えるという死出の山を、まだ見たこともない雪の山道として思い描き、そこを踏み分けて越えていくのかと心細さを詠む一首である。雪の中の山越えという具体的な景によって、死出の旅の不安を表している。
本巻の第三百五十八首、第三百五十九首と同じく「とすらむ」で結ぶ。巻第九の第三百十八首は「雪踏み分けて」恋人のもとへ通う歌であったが、ここでは同じ句で死出の山越えを詠んでいる。
初句「おぼつかな」は、形容詞「おぼつかなし」の語幹で、心もとないことよと嘆く初句切れである。本巻の第三百五十二首も同じ語を用いている。
二句「まだ見ぬ道を」は、まだ見たことのない道をいう。
三句「死出の山」は、死者が冥途へ行く途中に越えるという山をいう。
四句「雪踏み分けて」は、積もった雪を踏み分けて進むことをいう。巻第九の第三百十八首にも同じ句が見える。
結句「越えむとすらむ」は、推量の「む」と現在推量の「らむ」で、越えていくのだろうかと結ぶ。
しでのやま:死者が冥途へ行く途中に越えるという山
ふみわく:踏んで道を開いて進む
- 作者
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良暹
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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この世だに月待つほどは苦しきに あはれいかなる闇に惑はむ
- 次の歌
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かはらむと祈る命は惜しからで さても別れむことぞ悲しき