この世にはまたも逢ふまじ梅の花
散り散りならむことぞ悲しき
- 歌の意味
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この世では二度と会うことはないだろう。梅の花が散るように、散り散りに別れてしまうことが悲しい。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 363
梅の花を前に、この世で再び会うことはないだろうと思い、花が散るように人々と散り散りに別れていくことを悲しむ一首である。梅の花の散るさまに、親しい人々との別れを重ねている。
前歌の第三百六十二首と同じく「ことぞ悲しき」で結び、別れの悲しみを詠む歌が二首並べられている。
初句「この世には」は、係助詞「は」でこの世を取り立てる。
二句「またも逢ふまじ」は、打ち消し推量の「まじ」で、二度と会わないだろうという二句切れである。
三句「梅の花」は、散っていく梅の花を示し、四句の「散り散り」を導く。
四句「散り散りならむ」は、花が散る意と、人が離ればなれになる意とを重ね、推量の「む」の連体形で表す。
結句「ことぞ悲しき」は、係助詞「ぞ」と連体形「悲しき」による係り結びで、前歌と同じ結句である。
ちりぢり:離ればなれになること
- 作者
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行尊
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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かはらむと祈る命は惜しからで さても別れむことぞ悲しき
- 次の歌
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この身をば空しきものと知りぬれば 罪得むこともあらじとぞ思ふ