帰る雁西へ行きせば玉章に
思ふことをば書きつけてまし
- 歌の意味
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北へ帰る雁が、もし西へ行くのであれば、手紙に思うことを書きつけて託したいものを。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 371
春に北へ帰る雁が、もし西へ行くのであれば、手紙に思いを書きつけて託したいと詠む一首である。雁が便りを運ぶという故事を踏まえ、西方にあるという極楽浄土へ、あるいは西の方にいる人へ思いを伝えたい心を表したものと解される。
初句「帰る雁」は、春に北へ帰っていく雁をいう。
二句「西へ行きせば」は、過去の「き」の未然形「せ」に「ば」が付いた反実仮想の仮定で、西へ行くのならばという意を表し、結句の「まし」と呼応する。
三句「玉章に」は、手紙をいい、雁が手紙を運ぶという故事を踏まえる。
四句「思ふことをば」は、「をば」で心に思うことを取り立てる。
結句「書きつけてまし」は、反実仮想の「まし」で、書きつけるだろうにと結ぶ。
たまづさ:手紙、便り
かり:雁。手紙を運ぶ鳥とされた
- 出典
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詞花和歌集
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かりそめの憂き世の闇をかき分けて うらやましくも出づる月かな
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