- 歌の意味
- 筑波山の奥深さのように、深くうれしく思うことだ。浜名の橋を渡すように、遠くから通わせてくれる心を。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 373
東国の名所を二つ取り合わせ、筑波山の深さのように深くうれしいと、浜名の橋を渡すように心を通わせてくれる相手への喜びを述べた一首と見られる。詞書がなく詠作の事情は明らかでないが、遠く隔たった相手からの心遣いを、橋を渡す心にたとえている。
初句「筑波山」は、常陸国の歌枕で、山の奥深さから二句の「深く」を導く。
二句「深くうれしと」は、深くうれしいという意を表す。
三句「思ふかな」は、詠嘆の「かな」による三句切れである。
四句「浜名の橋に」は、遠江国の歌枕で、浜名湖の入り口にかけられた橋をいう。
結句「渡す心を」は、橋の縁語「渡す」を用いて、心を通わせることをいい、倒置によって喜びの対象を示して結ぶ。
つくばやま:常陸国の山。歌枕
はまなのはし:遠江国の浜名湖にかけられた橋。歌枕
- 作者
- 京極関白家肥後
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 身を捨つる人はまことに捨つるかは 捨てぬ人こそ捨つるなりけれ
- 次の歌
- 年を経て星をいただく黒髪の 人よりしもになりにけるかな