思ひかねそなたの空を眺むれば
ただ山の端にかかる白雲
- 歌の意味
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思いに耐えかねて、あなたのいる方角の空を眺めると、ただ山の端に白雲がかかっているばかりだ。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 381
恋しさに耐えかねて相手のいる方の空を眺めても、ただ山の端に白雲がかかっているばかりで、相手の姿を思いやるよすがもないと詠む一首である。遠く隔たった人を思う心を、白雲のかかる景に託している。
次歌の第三百八十二首は、海原の果てに雲と見まがう白波を詠み、山の白雲と海の白波とで遠く眺めやる景が並べられている。
初句「思ひかね」は、思いに耐えきれずという意を表す。本巻の第三百九十五首も同じ初句で始まる。
二句「そなたの空を」は、相手のいる方角の空をいう。
三句「眺むれば」は、已然形に「ば」が付いた確定条件で、眺めるとという意を表す。
四句「ただ山の端に」は、副詞「ただ」で、ただ山の端にばかりという意を表す。
結句「かかる白雲」は、体言止めで、山の端にかかる白雲を示して結ぶ。
そなた:そちらの方
やまのは:山の稜線
- 作者
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藤原忠通
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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このもとにかきあつめつる言の葉を ははその森の形見とは見よ
- 次の歌
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わたの原漕ぎ出でて見れば久方の 雲居にまがふ沖つ白波