そのことと思はぬだにもあるものを
何心地して月を見るらむ
- 歌の意味
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これといって何かを思うわけでもない人でさえ、月を見れば物思いをするものなのに、あなたはどのような心地で月を見ているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 393
何の悩みもない者でさえ月を見れば物思いに沈むものなのに、深い悲しみの中にある相手は、いったいどのような心地で月を見ているのだろうかと思いやる一首である。悲しみの中にある人への同情とねぎらいがこめられている。
前歌の第三百九十二首の涙にくもる月を受け、悲しむ人が見る月を思いやっている。
初句「そのことと」は、これといって特定のことをという意を表す。
二句「思はぬだにも」は、副助詞「だに」で、思わない者でさえという意を表す。
三句「あるものを」は、逆接の「ものを」で、物思いをするものなのにという意を表す。
四句「何心地して」は、どのような気持ちでという意を表す。
結句「月を見るらむ」は、現在推量の「らむ」で、月を見ているのだろうかと思いやって結ぶ。
ここち:気持ち、心持ち
- 作者
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藤原頼宗
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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いにしへを恋ふる涙にくらされて おぼろに見ゆる秋の夜の月
- 次の歌
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夢ならでまたも逢ふべき君ならば 寝られぬいをも嘆かざらまし