思ひかね眺めしかども鳥辺山
果ては煙も見えずなりにき
- 歌の意味
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悲しみに耐えかねて眺めていたけれども、鳥辺山では、ついには亡き人を送る煙さえも見えなくなってしまった。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 395
亡き人を思う悲しみに耐えかねて、葬送の地である鳥辺山を眺め続けていたが、ついには火葬の煙さえも見えなくなってしまったと詠む一首である。最後のよすがであった煙までもが消え、亡き人の跡が失われていく寂しさを表している。
本巻の第三百八十一首と同じ「思ひかね」で詠み出され、そこでは相手のいる方の空の白雲を眺めたのに対し、ここでは鳥辺山の煙を眺めている。
初句「思ひかね」は、思いに耐えきれずという意を表す。
二句「眺めしかども」は、過去の「き」の已然形と逆接の「ども」で、眺めていたけれどもという意を表す。
三句「鳥辺山」は、京の東山にあった葬送の地をいう。
四句「果ては煙も」は、係助詞「も」で、ついには火葬の煙までもという意を表す。
結句「見えずなりにき」は、完了の「ぬ」と過去の「き」で、見えなくなってしまったと結ぶ。
とりべやま:京の東山にあった葬送の地
けぶり:煙。火葬の煙
- 出典
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詞花和歌集
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夢ならでまたも逢ふべき君ならば 寝られぬいをも嘆かざらまし
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夕まぐれ木繁き庭を眺めつつ 木の葉とともに落つる涙か