- 歌の意味
- 夕暮れどき、木の茂った庭を眺めながら、散る木の葉とともにこぼれ落ちる涙であることよ。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 396
夕暮れに木々の茂る庭を眺めているうちに、散っていく木の葉とともに涙がこぼれ落ちると詠む一首である。人を失った悲しみの中にある歌と見られ、散る木の葉に涙を重ね、静かな哀傷を表している。
初句「夕まぐれ」は、夕方の薄暗いころをいう。
二句「木繁き庭を」は、木の茂った庭をいう。
三句「眺めつつ」は、反復継続の「つつ」で、眺めながらという意を表す。
四句「木の葉とともに」は、散る木の葉と一緒にという意で、二句の「木」と重ねている。
結句「落つる涙か」は、詠嘆の終助詞「か」で、こぼれ落ちる涙であることよと結ぶ。
ゆふまぐれ:夕方の薄暗いころ
- 作者
- 藤原義孝
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 思ひかね眺めしかども鳥辺山 果ては煙も見えずなりにき
- 次の歌
- 人知れずもの思ふこともありしかど このことばかり悲しきはなし