出づる息の入るを待つ間もかたき世を
思ひ知るらむ袖はいかにぞ
- 歌の意味
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吐く息が次に吸われるのを待つ間さえも保ちがたい、はかないこの世を、今こそ思い知っていることだろう。あなたの涙に濡れる袖はどれほどか。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 403
吐いた息が次に吸い込まれるまでの短い間でさえ、命は保ちがたいものだという無常を、身近な人を亡くした相手は今こそ思い知っているだろうと思いやり、その涙に濡れる袖はどれほどかと問いかける一首である。人を亡くした者への見舞いの心が、仏教の無常観とともに表れている。
初句「出づる息の」は、吐き出す息をいい、六音の字余りである。
二句「入るを待つ間も」は、吐いた息が入るのを待つ短い間でさえという意を表す。
三句「かたき世を」は、形容詞「かたし」の連体形で、命を保ちがたい世をという意を表す。
四句「思ひ知るらむ」は、現在推量の「らむ」で、思い知っているだろうという四句切れである。
結句「袖はいかにぞ」は、涙に濡れる袖はどうかと問いかけて結ぶ。
おもひしる:身にしみて悟る
- 作者
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崇徳院
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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去年の春散りにし花も咲きにけり あはれ別れのかからましかば
- 次の歌
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涙のみ袂にかかる世の中に 身さへ朽ちぬることぞ悲しき