- 歌の意味
- 涙ばかりが袂にかかるこの世の中で、袂ばかりか身までも朽ち果ててしまうことが悲しい。
- 鑑賞
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巻第十 雑歌下 404
涙ばかりが袂にかかり、袂が朽ちるほど泣き暮らすこの世で、袂ばかりか身までも朽ちていくことが悲しいと詠む一首である。涙で袖が朽ちるという表現を、身の朽ちる嘆きにまで推し進めている。
本巻の第三百六十二首、第三百六十三首と同じく「ことぞ悲しき」で結んでいる。
初句「涙のみ」は、副助詞「のみ」で、涙ばかりがという意を表す。
二句「袂にかかる」は、袂に涙がかかることをいう。
三句「世の中に」は、この世の中でという意を表す。
四句「身さへ朽ちぬる」は、副助詞「さへ」と完了の「ぬ」の連体形で、袂ばかりか身までも朽ちてしまうという意を表す。
結句「ことぞ悲しき」は、係助詞「ぞ」と連体形「悲しき」による係り結びで、そのことが悲しいと結ぶ。
たもと:袖
くつ:朽ちる
- 出典
- 詞花和歌集
- 前の歌
- 出づる息の入るを待つ間もかたき世を 思ひ知るらむ袖はいかにぞ
- 次の歌
- 折々のつらさを何に嘆きけむ やがて亡き世もあはれありけり