麓をば宇治の川霧立ちこめて
雲居に見ゆる朝日山かな
- 歌の意味
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麓のあたりは宇治川の川霧が立ちこめて、空高くに浮かんでいるように見える朝日山であることよ。
- 鑑賞
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巻第十一 異本歌 419
宇治川の川霧が山の麓に立ちこめて麓が隠れ、朝日山の頂だけが空高くに見える景を詠む一首である。霧によって山が空に浮かんでいるかのように見える朝の眺めを、山の名の「朝日」とともにとらえている。
堀河院の御時に奉った百首歌で霧を詠んだ歌として、新古今和歌集の秋歌下に収められている。
本巻の第四百十六首が三笠山の峰に朝日がさすさまを詠んだのに対し、ここでは麓を霧に包まれた朝日山を詠み、峰と麓、朝日と山の名とで二首が響き合っている。
初句「麓をば」は、格助詞「を」に係助詞「は」が付いて濁った「をば」で、麓を取り立てる。本巻の第四百十六首の「峰に」と対をなす。
二句「宇治の川霧」は、山城国の宇治川に立つ霧をいう。
三句「立ちこめて」は、霧が一面に立ちこめることをいう。
四句「雲居に見ゆる」は、空高くに見えるという意を表し、霧の上に山の頂が浮かぶさまを示す。
結句「朝日山かな」は、宇治川のほとりにある朝日山を示し、詠嘆の「かな」で結ぶ。山の名の「朝日」が朝の景を響かせ、本巻の第四百十六首の「朝日」と対応する。
かはぎり:川に立つ霧
くもゐ:雲のあるところ。空の高み
あさひやま:山城国宇治の山。歌枕
- 作者
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藤原公実
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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三笠山さして来にけり石上 古き御幸の跡を尋ねて
- 次の歌
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先の世の浅き契りを知らずして 人をつらしと思ひけるかな