- 歌の意味
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塩釜の浦を吹く松風が霞んでいるようだ。多くの島々にかけて、春が立っているのだろうか。
- 鑑賞
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春歌 8
詞書「海辺立春」
陸奥の歌枕である塩釜の浦を思い描き、松風の音までが霞んで聞こえるようだと、海辺の立春を詠む。松風という耳で捉える景を「霞む」と目で捉える語で言い表した趣向に特色がある。賀茂真淵はこの歌も「中さだ」の作と評している。
類従本では「海辺立春といふことをよめる」の詞書で雑部に収める。
初句「塩釜の」は陸奥国(宮城県)の歌枕塩釜を示す。
二句「浦の松風」は浦辺の松を吹く風で、その音を含めて捉えている。
三句「霞むなり」の「なり」は音や気配による推定で、松風の響きから霞んでいる様子を感じ取る。ここで句切れとなる。
四句「八十島かけて」の「八十島」は多くの島々で、塩釜に近い松島湾の島々を思わせる。「かけて」はそこに及ぶまでの意である。
結句「春や立つらむ」は係助詞「や」と推量「らむ」の連体形による係り結びで、目に見えない立春を推し量る。本巻の第二首が霞から都の立春を推定したのと対をなし、ここでは海辺の立春を推定している。
やそしま:たくさんの島々
うら:海や湖の、陸地に入り込んだ所
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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朝霞立てるを見ればみづのえの 吉野の宮に春は来にけり
- 次の歌
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いかにして野中の松の古りぬらむ 昔の人の引かずやありけむ