- 歌の意味
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春雨の露もまだ乾かない梅の枝で、上毛をしっとりと濡らして鶯が鳴いている。
- 鑑賞
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春歌 16
詞書「雨後鶯」
雨上がりの梅の枝にとまり、濡れた羽のまま鳴く鶯の姿を詠む。羽の上毛がしおれているという細やかな観察に、雨後のしっとりとした春の空気が感じられる。賀茂真淵は、「露もまだ干ず」は『後拾遺和歌集』にも見える言葉ではあるが、作者には似つかわしくないと評している。
類従本では詞書を「雨後鶯といふ事を」とし、類従本と定家所伝本では二句に異同がある。
初句「春雨の」は、題の「雨後」の雨が春雨であることを示す。
二句「露もまだ干ず」の「干ず」は乾かないの意で、雨のしずくが残っている様子を表す。
三句「梅が枝に」は、前歌の第十五首の梅と鶯の取り合わせを、雨上がりの景で受け継いでいる。
四句「上毛しをれて」の「上毛」は鳥の表面の羽毛で、それが濡れてしおれている様子を示す。
結句「鶯ぞ鳴く」は前歌と同じ結句で、「ぞ」と連体形による係り結びである。
ひる:乾く
うはげ:鳥の表面をおおう羽毛
しをる:濡れたりしてぐったりとなる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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春来ればまづ咲く宿の梅の花 香をなつかしみ鶯ぞ鳴く
- 次の歌
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若菜摘む衣手濡れて片岡の あしたの原に淡雪ぞ降る