- 歌の意味
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若菜を摘む袖が濡れて、片岡の朝の原に淡雪が降っている。
- 鑑賞
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春歌 17
詞書「雪中若菜」
片岡の朝の原で若菜を摘んでいると、淡雪が降ってきて袖が濡れる、という早春の情景を詠む。春の喜びである若菜摘みと、まだ残る冬の名残の雪とを一つの景に収めた。賀茂真淵は合点を付している。
類従本では詞書を「雪中の若菜といふ事を」とし、四句に異同がある。若菜を摘む袖に雪が降りかかる趣向は、『古今和歌集』の光孝天皇の「君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ」に通じるものである。
初句「若菜摘む」は春の野遊びの若菜摘みで、本巻の第六首で心待ちにされていた行事である。
二句「衣手濡れて」の「衣手」は袖のことで、雪に濡れる袖を示す。
三句「片岡の」は大和国の地名片岡で、歌枕として知られる。
四句「あしたの原に」は片岡にある野の名で、「朝」の意を響かせ、早朝の情景をも思わせる。
結句「淡雪ぞ降る」は係助詞「ぞ」と連体形による係り結びである。本巻の第六首が若菜の野を埋める雪を詠んだのに対し、ここでは若菜を摘む袖に降る淡雪を詠み、雪の量の対比が見られる。
ころもで:袖
かたをか:大和国の地名片岡
あしたのはら:大和国片岡にある野。「朝」の意を響かせる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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春雨の露もまだ干ず梅が枝に 上毛しをれて鶯ぞ鳴く
- 次の歌
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春日野の飛ぶ火の野守今日とてや 昔かたみに若菜摘むらむ