松の葉の白きを見れば春日山
木の芽もはるの雪ぞ降りける
- 歌の意味
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松の葉が白いのを見ると、春日山では、木の芽も張る春だというのに雪が降ったのだ。
- 鑑賞
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春歌 19
詞書「屏風の絵に春日山に雪降れる所」
屏風に描かれた春日山の雪景色に寄せ、松の葉が白いことから、木の芽の張る春に雪が降ったことを知るという趣向の歌である。常緑の松の緑が白く覆われたさまに、春の雪の意外さを捉えている。賀茂真淵は、「木の芽もはる」の句は作者の心に似ず、初期の歌であろうと評している。
類従本では詞書を「…をよめる」の形とする。底本の四句は一字が読み取りにくく、通行の本文により「木の芽もはるの」とした。
初句「松の葉の」は、常緑の松を取り上げ、その色の変化に注目させる。
二句「白きを見れば」は、松の緑が雪で白くなっているのを見ての意で、ここから推量を導く。
三句「春日山」は大和国の山で、前歌の第十八首の春日野と同じ春日の地を描く屏風絵の歌が続いている。
四句「木の芽もはるの」の「はる」は、木の芽が膨らむ「張る」と季節の「春」とを掛ける掛詞である。
結句「雪ぞ降りける」は係助詞「ぞ」と過去の「けり」の連体形による係り結びで、雪が降ったことに気づいた驚きを表す。
はる:木の芽が膨らむ意の「張る」と、季節の「春」とを掛ける
かすがやま:大和国春日の山
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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春日野の飛ぶ火の野守今日とてや 昔かたみに若菜摘むらむ
- 次の歌
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春来ては花とか見えむおのづから くちきの杣に降れる白雪