わが宿の八重の紅梅咲きにけり
知るも知らぬもなべて訪はなむ
- 歌の意味
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我が家の八重の紅梅が咲いた。知っている人も知らない人も、みな訪ねて来てほしい。
- 鑑賞
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春歌 25
詞書は前の歌に続き「梅の花をよめる」
自邸の八重咲きの紅梅が咲いたことを喜び、知人も見知らぬ人も皆見に来てほしいと呼びかける、おおらかな歌である。花の美しさを独り占めせず人々と分かち合おうとする、晴れやかで開かれた心がうかがえる。賀茂真淵は合点を付し、「紅梅」を字音のまま詠んだのはよろしくないが、そうしたことにとらわれないところに器量があると評している。
初句「わが宿の」は、作者の住まいを示す。
二句「八重の紅梅」は八重咲きの紅梅で、和歌では珍しい字音語「紅梅」をそのまま用いている。真淵の評はこの点に触れている。
三句「咲きにけり」は詠嘆の「けり」で、ここで句切れとなる。
四句「知るも知らぬも」は、知っている人も知らない人もの意で、対になる語を並べている。
結句「なべて訪はなむ」の「なべて」はすべての意、「なむ」は他に対する願望を表す終助詞である。前歌の第二十四首が盛りを見過ごす家を戒めたのに対し、ここでは盛りを皆で楽しもうと呼びかけている。
こうばい:紅色の花を咲かせる梅
とふ:訪れる、訪問する
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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梅の花咲ける盛りを目の前に 過ぐせる宿は春ぞ少なき
- 次の歌
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咲きしよりかねてぞ惜しき梅の花 散りの別れはわが身と思へば