わが袖に香をだに残せ梅の花
飽かで散りぬる忘れ形見に
- 歌の意味
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せめて私の袖に香りだけでも残しておくれ、梅の花よ。見飽きないうちに散ってしまう、その忘れ形見として。
- 鑑賞
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春歌 27
詞書は前の歌に続き「梅の花をよめる」
見飽きないうちに散ってしまう梅の花に向かい、せめて香りだけでも袖に残してほしいと願う歌である。花そのものは留められなくても、香りを形見として手もとに残したいという、花との別れを惜しむ切ない心が詠まれている。
初句「わが袖に」は、香りを移し留める場としての袖を示す。
二句「香をだに残せ」の「だに」はせめて〜だけでもの意で、命令形「残せ」で強く願い、ここで句切れとなる。
三句「梅の花」は呼びかけで、花に直接語りかけている。
四句「飽かで散りぬる」の「飽かで」は満ち足りないうちにの意で、見飽きる前に散ってしまう花の早さを嘆く。
結句「忘れ形見に」は、忘れないための記念としての意である。前歌の第二十六首の「散りの別れ」を受け、別れに際して形見を求める流れとなっている。
わすれがたみ:忘れないように残しておく記念の品
あく:満ち足りる、十分に満足する
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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咲きしよりかねてぞ惜しき梅の花 散りの別れはわが身と思へば
- 次の歌
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さりともと思ひしほどに梅の花 散り過ぐるまで君が来まさぬ