- 歌の意味
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梅の枝の香りが私の袖に匂ってきた。花のそばを吹き過ぎてくる春の初風によって。
- 鑑賞
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春歌 33
詞書「梅花薫衣」
花のそばを吹き過ぎてきた春の初風が、梅の枝の香りを袖に運んできたことを詠む。題の「梅花薫衣」のとおり、衣に移る梅の香によって春の訪れを感じ取る優美な歌である。賀茂真淵は「花より過ぐる」の句を後の世の詠みぶりだと評している。
底本の三句は一字が読み取りにくく、通行の本文により「匂ひ来ぬ」とした。
初句「梅が枝は」は、香りの源としての梅の枝を示す。
二句「わが衣手に」の「衣手」は袖のことで、香りが移る場を示す。
三句「匂ひ来ぬ」は、香りが漂ってきたの意で、完了の「ぬ」で言い切り、ここで句切れとなる。
四句「花より過ぐる」の「より」は経由を示し、花のそばを通り過ぎてくるの意である。
結句「春の初風」は体言止めで、香りを運んだものを最後に示す倒置となる。次歌の第三十四首も同じ「春のはつ風」で結ばれ、梅の香と初風の歌が続く。
ころもで:袖
はつかぜ:その季節に初めて吹く風
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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誰にかも昔を問はむ故郷の 軒端の梅は春をこそ知れ
- 次の歌
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梅が香を夢の枕に誘ひ来て 覚むる待ちける春の初風