わが宿の梅の初花咲きにけり
待つ鶯はなどか来鳴かぬ
- 歌の意味
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我が家の梅の初花が咲いた。待っている鶯は、どうして来て鳴かないのか。
- 鑑賞
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春歌 38
詞書「梅の花咲ける所」
我が家の梅に初花が咲いたのに、待ちわびている鶯がなかなかやって来て鳴かないことを不審に思う歌である。梅と鶯の取り合わせを、来ない鶯を待つ心から詠み、春の深まりを待ちきれない思いがにじむ。
類従本では詞書を「梅の花さける處をよめる」とする。
初句「わが宿の」は、本巻の第三十六首と同じ詠み出しで、作者の住まいを示す。
二句「梅の初花」は、その年初めて咲いた梅の花で、本巻の第三十五首の「春の初花」と響き合う。
三句「咲きにけり」は詠嘆の「けり」で、ここで句切れとなる。
四句「待つ鶯は」は、梅の開花とともに訪れを待ちわびている鶯を示す。
結句「などか来鳴かぬ」は「などか」の疑問を受けて打消の連体形「ぬ」で結ぶ。本巻の第十五首が梅の香に誘われて鶯が鳴くことを詠んだのと対照的に、ここでは梅が咲いても鶯が来ない。梅の歌の一群はこの歌で結ばれる。
きなく:やって来て鳴く
はつはな:その年初めて咲く花
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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梅の花色はそれとも分かぬまで 風に乱れて雪は降りつつ
- 次の歌
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春来ればなほ色まさる山城の ときはの森の青柳の糸