- 歌の意味
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春が来るといっそう色が増していく、山城の常盤の森の青柳の糸よ。
- 鑑賞
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春歌 39
詞書「柳」
山城の常盤の森の青柳が、春が来るといっそう緑の色を増すことを詠む。「ときは」という色の変わらぬことを意味する地名の森で、柳が春ごとに色を深めるという機知を込めた歌である。賀茂真淵は、「なほ」は古くはすべて「まで」の意で、「いよいよ」の意に用いたのは後の世に倣ったもので、「ときはの森」という趣向も後の世の心だと評している。
類従本では詞書を「柳をよめる」とする。
初句「春来れば」は、春が来るといつもの意の恒常条件で、本巻の第十五首と同じ詠み出しである。
二句「なほ色まさる」の「なほ」は、いっそう、ますますの意で、真淵が後の世の用法と評した語である。
三句「山城の」は、京都府南部にあたる国名で、常盤の森の所在を示す。
四句「ときはの森の」の「ときは」は、山城国の地名常盤と、いつまでも色の変わらない意の常磐とを掛ける掛詞である。色が変わらないはずの名の森で色が増すという対照が趣向となっている。
結句「青柳の糸」は体言止めで、柳の細い枝を糸に見立てる。次歌の第四十首から第四十三首まで青柳の糸を詠む歌が続く。
ときは:山城国の地名常盤と、いつまでも色の変わらない意の常磐とを掛ける
いと:柳の細くしなやかな枝を糸にたとえた語
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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わが宿の梅の初花咲きにけり 待つ鶯はなどか来鳴かぬ
- 次の歌
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青柳の糸もて貫ける白露の 玉こき散らす春の山風