桜花散らまく惜しみうちひさす
宮路の人ぞとのゐせりける
- 歌の意味
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桜の花が散るのを惜しんで、宮仕えの人々が泊まり込みの宿直をしていたことだ。
- 鑑賞
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春歌 45
詞書「花をよめる」
桜の花が散るのを惜しむあまり、宮中に仕える人々が夜も泊まり込んで花を見守っていた、と詠む歌である。花を惜しむ心を宮廷人の宿直の姿に託し、雅やかな花の夜の情景を描く。ここから桜を詠む歌の長い一群が始まる。賀茂真淵は合点を付している。
類従本と定家所伝本では二句と結句に異同があり、結句を「まとゐせりける」とする。底本の二句は一字が読み取りにくく、通行の本文により「散らまく惜しみ」とした。
初句「桜花」は、本巻の桜の歌の一群を始める語である。
二句「散らまく惜しみ」の「散らまく」は散ることの意で、「惜しみ」は惜しいのでと理由を表す。本巻の第三十六首の「散らまくも惜し」と同じ語を用いている。
三句「うちひさす」は「宮」にかかる枕詞である。
四句「宮路の人ぞ」の「宮路の人」は宮中に仕える人々を指し、係助詞「ぞ」で強調する。
結句「とのゐせりける」の「とのゐ」は宮中に泊まり込んで勤めることで、「ける」は「ぞ」の結びの連体形である。
とのゐ:宮中や役所に泊まり込んで勤めや警護をすること
みやぢ:宮中へ通う道。転じて宮中
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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早蕨の萌え出づる春になりぬれば 野辺の霞もたなびきにけり
- 次の歌
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桜花散らば惜しけむ玉鉾の 道行きぶりに折りてかざさむ