み吉野の山に入りけむ山人と
なりみてしがな花に飽くやと
- 歌の意味
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吉野の山に入ったという山人になってみたいものだ。花に飽きることがあるかどうかと。
- 鑑賞
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春歌 49
詞書は前の歌に続き「弓あそびせしに芳野山のかたをつくりて山人の花見たる所をよめる」
吉野の山に分け入ったという山人に、自分もなってみたいと願う歌である。そうすれば花に飽きるということがあるのか確かめられるだろうと、花への尽きない思いを裏返しに表している。賀茂真淵は合点を付し、二句と三句は万葉集の詠みぶりだと評している。
この歌は『続千載和歌集』に入集している。
初句「み吉野の」は、前歌の第四十八首と同じ詠み出しである。
二句「山に入りけむ」の「けむ」は過去の伝聞で、山に入ったという、の意となる。
三句「山人と」の「山人」は山に住む人で、仙人の意も帯びる。前歌の「山守」を受けている。
四句「なりみてしがな」の「てしがな」は願望を表し、なってみたいものだの意で、ここで句切れとなる。
結句「花に飽くやと」は、花に飽きることがあるかと確かめたいという理由を示し、倒置となっている。前歌の第四十八首が山守が花に飽きないさまを外から見たのに対し、ここではその身になって確かめたいと願っている。
やまびと:山に住む人。仙人の意にも用いる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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み吉野の山の山守花を見て 長々し日を飽かずもあるかな
- 次の歌
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み吉野の山に籠りし山人や 花をば宿のものに見るらむ