み吉野の山に籠りし山人や
花をば宿のものに見るらむ
- 歌の意味
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吉野の山にこもり住んだ山人は、花を自分の住まいのものとして見ているのだろうか。
- 鑑賞
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春歌 50
詞書「屏風に吉野山描きたる所」
屏風に描かれた吉野山の絵に寄せ、そこにこもり住む山人は、満開の桜をわが家の庭の花のように見ているのだろうかと思いやる歌である。花の名所に住む者へのうらやましさがにじむ。
類従本と定家所伝本では結句に異同がある。
初句「み吉野の」は、吉野の歌が続く中で同じ詠み出しを重ねている。
二句「山に籠りし」は、人里を離れて山に籠もり住んだの意である。
三句「山人や」の「や」は疑問の係助詞で、本巻の第四十九首の「山人」を受ける。
四句「花をば宿の」の「をば」は「を」を強めた形で、花を自分の住まいのものとしてと続く。
結句「ものに見るらむ」は「や」の結びとして「らむ」の連体形で結ぶ係り結びである。前歌の第四十九首が山人になりたいと願ったのに続き、ここでは山人の心を推し量っている。
こもる:人里を離れて籠もり住む
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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み吉野の山に入りけむ山人と なりみてしがな花に飽くやと
- 次の歌
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音に聞く吉野の桜咲きにけり 山の麓にかかる白雲