- 歌の意味
- 評判に聞く吉野の桜が咲いたのだなあ。山の麓に白雲がかかっている(かのように見える)。
- 鑑賞
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春歌 51
詞書「名所桜」
名高い吉野の桜が咲いたことを、山の麓にかかる白雲のような花の景によって知る歌である。満開の桜を白雲に見立てる伝統的な趣向で、名所の花盛りの華やかさを詠む。賀茂真淵は、花を雲と見なすことは昔の一人二人がしたならばよいが、この時代になってはいかがなものかとし、さらにそれ以後もそう詠む人のつたなさを嘆いて、結句は後の世の詠みぶりだと評している。
初句「音に聞く」は、うわさに名高いの意で、吉野の桜の評判を示す。
二句「吉野の桜」は、花の名所の代表である吉野の桜を挙げる。
三句「咲きにけり」は詠嘆の「けり」で、ここで句切れとなる。
四句「山の麓に」は、花の咲いている場所を示す。
結句「かかる白雲」は体言止めで、桜を白雲に見立てる。次歌の第五十二首でも桜を雲と見ており、見立ての趣向が続く。
おと:うわさ、評判
ふもと:山のすそ
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- み吉野の山に籠りし山人や 花をば宿のものに見るらむ
- 次の歌
- 葛城や高間の桜眺むれば 夕居る雲に春雨ぞ降る