今日もまた花に暮らしつ春雨の
露の宿りを我に貸さなむ
- 歌の意味
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今日もまた花を見て一日を暮らしてしまった。春雨の露が宿る花の陰を、宿として私に貸してほしい。
- 鑑賞
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春歌 54
詞書は前の歌に続き「雨中桜」
今日もまた花を眺めて一日を過ごしてしまったと言い、さらに春雨の露が宿る花の陰を自分の宿として貸してほしいと願う歌である。花のもとを離れがたい心を、露と宿りを重ねる趣向で表している。賀茂真淵は四句が後の世の詠みぶりだと評している。
初句「今日もまた」は、昨日に続いて今日もの意で、花に心を奪われた日々を示す。
二句「花に暮らしつ」は、花を見て日を過ごしたの意で、完了の「つ」で言い切り、ここで句切れとなる。
三句「春雨の」は、題の雨を示す。
四句「露の宿りを」は、春雨の露が宿る所、すなわち花の陰をいう。真淵が後の世風と評した句である。
結句「我に貸さなむ」の「なむ」は他に対する願望で、宿を貸してほしいの意である。次歌の第五十五首も同じ結句で、二首は「露の宿り」「花の宿り」と語を替えて対をなしている。
やどり:宿る所、仮の宿
くらす:日を過ごす
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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雨降ると立ち隠るれば山桜 花のしづくにそぼちぬるかな
- 次の歌
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道遠み今日越え暮れぬ山桜 花の宿りを我に貸さなむ