木のもとに宿りはすべし桜花
散らまく惜しみ旅ならなくに
- 歌の意味
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木の下に宿りをするのがよい。桜の花が散るのが惜しいので。旅だからというわけではないのに。
- 鑑賞
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春歌 60
詞書は前の歌に続き「屏風の絵に旅人あまた花の下に伏せる所」
旅の途中だからではなく、桜の散るのが惜しいから木の下に宿りをするのだ、と詠む。旅人の宿りを花を惜しむ心に読み替えた機知のある歌である。賀茂真淵は合点を付している。
初句「木のもとに」は、前歌の第五十九首の「散る木のもと」を受ける。
二句「宿りはすべし」の「べし」は当然や意志を表し、ここで句切れとなる。本巻の第三首の「家居はすべし」と同じ言い切り方である。
三句「桜花」は、宿りの理由となる花を示す。
四句「散らまく惜しみ」は、散ることが惜しいのでの意で、本巻の第四十五首と同じ句である。
結句「旅ならなくに」の「なくに」は打消の「ず」のク語法に「に」が付いたもので、旅でもないのにと逆接の詠嘆を表す。
やどり:宿る所、仮の宿
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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今しはと思ひしほどに桜花 散る木のもとに日数経ぬべし
- 次の歌
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木のもとに宿りをすれば片敷きの わが衣手に花は散りつつ