- 歌の意味
- 逢坂の山に吹き荒れる嵐の風に散る花を、しばらくでも留めておく関守はいないのだ。
- 鑑賞
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春歌 67
詞書は前の歌に続き「関路花」
逢坂の関の嵐に散る花を見て、人の往来を留める関守はいても、散る花をしばしでも留める関守はいないと嘆く歌である。関所の役目と花の散ることとを結びつけた機知の中に、花を惜しむ心が込められている。
類従本では雑部に収める。
初句「あふ坂の」は、前歌の第六十五首、第六十六首に続いて逢坂の関を詠む。ここでは「逢ふ」の名とは裏腹に花との別れが詠まれる。
二句「嵐の風に」は、山から吹き荒れる激しい風を示す。
三句「散る花を」は、関を越えて散っていく花を示す。
四句「しばし留むる」は、少しの間でも引き留めるの意で、関守の役目に重ねる。
結句「関守ぞなき」は係助詞「ぞ」と形容詞の連体形「なき」による係り結びである。人を留める関守が花は留めないという対照に趣がある。
せきもり:関所の番人
とどむ:引き留める
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- 名にし負はばいざ尋ね見むあふ坂の 関路に匂ふ花はありやと
- 次の歌
- 逢坂の関の関屋の板びさし まばらなればや花の漏るらむ