逢坂の関の関屋の板びさし
まばらなればや花の漏るらむ
- 歌の意味
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逢坂の関の番小屋の板びさしは、すき間がまばらだからだろうか、花がすり抜けて散り入ってくるのだろう。
- 鑑賞
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春歌 68
詞書は前の歌に続き「関路花」
逢坂の関の番小屋の板びさしがまばらで、そのすき間から花が漏れ入ってくるのだろうかと詠む。関所は人を通さないが、花は板びさしのすき間からすり抜けてくる、という機知の歌で、逢坂の関の四首を結ぶ。
類従本では雑部に収める。関屋の板びさしの荒れたさまは、『新古今和歌集』の藤原良経の「人住まぬ不破の関屋の板びさし荒れにしのちはただ秋の風」にも詠まれている。
初句「逢坂の」は、四首続く逢坂の関の歌を結ぶ詠み出しである。
二句「関の関屋の」は「関」を重ねて調子を整え、関所の番小屋を示す。
三句「板びさし」は板で葺いたひさしで、ここで一旦切れ、下の句でその様子を述べる。
四句「まばらなればや」の「や」は疑問の係助詞で、すき間がまばらだからかと原因を問う。
結句「花の漏るらむ」は「や」の結びとして「らむ」の連体形で結ぶ。前歌の第六十七首が花を留める関守のいないことを詠んだのに対し、ここでは関屋そのものも花を留められないさまを詠み、対をなしている。
せきや:関所の番小屋
いたびさし:板で葺いたひさし
もる:すき間から漏れ出る
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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あふ坂の嵐の風に散る花を しばし留むる関守ぞなき
- 次の歌
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咲きにけりながらの山の桜花 風に知られで散りも過ぎなむ