- 歌の意味
- 山風が桜を吹き巻いて、散る花が乱れて見える志賀の浦の波よ。
- 鑑賞
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春歌 77
詞書「湖辺落花」
琵琶湖のほとり志賀の浦で、山風に吹き巻かれた桜の花びらが、湖の波の上に乱れ散るさまを詠む。山から湖へと散っていく花を、波とともに乱れる景として捉えている。
類従本と定家所伝本では二句の「さくら」を「かすみ」とする。
初句「山風の」は、前歌の第七十六首と同じ詠み出しである。
二句「桜吹きまき」は前歌の「桜吹きまく」を受け、場面を吉野の滝から志賀の湖へと移している。
三句「散る花の」は、山風に吹き散らされた花びらを示す。
四句「乱れて見ゆる」は、花と波とが入り乱れて見えるの意である。
結句「志賀の浦波」は体言止めで、琵琶湖西岸の志賀の浦に寄せる波を示す。本巻の第六十四首に詠まれた志賀の地を、ここでは湖辺の景として描く。
うらなみ:浦に寄せる波
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- 山風の桜吹きまく音すなり 吉野の滝の岩もとどろに
- 次の歌
- 山桜木々の梢に見しものを 岩間の水に泡となりぬる