風吹けば花は雪とぞ散りまがふ
吉野の山は春やなからむ
- 歌の意味
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風が吹くと、花は雪と見分けがつかないほどに散り乱れる。吉野の山には春がないのだろうか。
- 鑑賞
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春歌 83
詞書「花似雪」
風が吹くと花が雪のように散り乱れるので、吉野の山には春がなく、いつまでも冬なのだろうかと戯れて詠む。雪深い吉野という印象を逆手に取り、花吹雪を雪と見なす機知の歌である。賀茂真淵は合点を付している。
類従本では詞書を「花雪に似たるといふ事を」とする。
初句「風吹けば」は、風が吹くといつもの意の恒常条件である。
二句「花は雪とぞ」の「ぞ」は係助詞で、花を雪と見立てる。
三句「散りまがふ」は散り乱れて見分けがつかなくなる意で、「ぞ」の結びの連体形となり、ここで句切れとなる。
四句「吉野の山は」は、雪の名所としての吉野を示す。
結句「春やなからむ」は係助詞「や」と推量「む」の連体形による係り結びで、春がないのかと問う。前歌の第八十二首の雪の見立てを受け、冬のままかと戯れる。
ちりまがふ:散り乱れて見分けがつかなくなる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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桜花うつろふ時はみ吉野の 山下風に雪ぞ降りける
- 次の歌
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春は来て雪は消えにし木のもとに 白くも花の散り積もるかな