春深みあらしの山の桜花
咲くと見しまに散りにけるかな
- 歌の意味
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春が深まったので、嵐山の桜の花は、咲いたと見る間に散ってしまったことだ。
- 鑑賞
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春歌 91
詞書「落花をよめる」
春が深まり、嵐山の桜が咲いたと見る間もなく散ってしまったことを嘆く歌である。山の名の「嵐」に花を散らす激しい風を重ね、落花のはかなさを詠む。賀茂真淵は、「嵐」を巧みに用いたのは後の世の詠みぶりだと評している。
初句「春深み」は「名詞+形容詞の語幹+み」の形で、春が深まったのでと理由を表す。
二句「あらしの山の」は、山城国の嵐山に、山から吹きおろす激しい風の「嵐」を掛ける掛詞である。
三句「桜花」は、題の落花の主を示す。
四句「咲くと見しまに」は、本巻の第七十二首と同じ句で、咲いたと見るその間にの意である。
結句「散りにけるかな」は、完了「ぬ」と「けり」に詠嘆の「かな」が付いた形で、落花のはやさへの感嘆を表す。
あらし:山から吹きおろす激しい風「嵐」と、山城国の嵐山とを掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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さざ波や志賀の都の花盛り 風より先に訪はましものを
- 次の歌
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春来れば糸賀の山の糸桜 風に乱れて花ぞ散りける