- 歌の意味
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風が騒ぐ遠くの外山では雲が晴れたが、今度は桜の花にかげって曇る、春の夜の月よ。
- 鑑賞
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春歌 97
詞書「春山月」
風に吹き払われて遠くの山の雲は晴れたのに、今度は満開の桜にさえぎられて曇って見える春の夜の月を詠む。雲の代わりに花が月を曇らせるという趣向で、花と月とを一つの景に収めている。賀茂真淵は四句が後の世の詠みぶりだと評している。
類従本と定家所伝本では三句に異同がある。
初句「風騒ぐ」は、風が激しく吹き騒ぐの意で、雲を吹き払う風を示す。
二句「をちの外山に」の「をち」は遠方、「外山」は人里近い山で、遠くの山を示す。
三句「雲晴れて」は、風によって雲が晴れたことを示す。
四句「桜に曇る」は、桜の花によって月が曇って見えるの意で、雲が晴れたことと対照をなす。真淵が後の世風と評した句である。
結句「春の夜の月」は体言止めで、ここから第百一首まで春の夜の月を詠む歌が続き、本歌、第九十九首、第百首が同じ結句をもつ。
をち:遠く離れた所
とやま:人里に近い山、端山
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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桜花咲ける山路や遠からむ 過ぎがてにのみ春の暮れぬる
- 次の歌
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眺むれば衣手霞む久方の 月の都の春の夜の空