- 歌の意味
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物思いにふけって眺めていると、袖までも霞んで見える。月の都の、春の夜の空よ。
- 鑑賞
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春歌 98
詞書「春月」
物思いにふけりながら春の夜の空を眺めていると、霞んだ月の光に袖までもぼんやりと霞んで見える、と詠む。月の都という天上の世界を思い描きつつ、春の夜の朧な美しさを幻想的に表した歌である。
初句「眺むれば」の「眺む」は、物思いにふけりながら見つめることである。
二句「衣手霞む」は、袖までもが霞んで見えるの意で、ここで句切れとなる。月の光が朧であることを、自分の袖にまで及ぶ霞として捉えている。
三句「久方の」は「月」にかかる枕詞である。本巻の第一首では「天」にかかっていた。
四句「月の都の」の「月の都」は月の中にあるという都で、天上の世界を思わせる。
結句「春の夜の空」は体言止めで、本巻の第百一首と同じ結句である。前歌の第九十七首が地上の桜に曇る月を詠んだのに対し、ここでは天上の月の都へと思いを馳せている。
ながむ:物思いにふけりながら見つめる
つきのみやこ:月の中にあるという都
ころもで:袖
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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風騒ぐをちの外山に雲晴れて 桜に曇る春の夜の月
- 次の歌
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故郷は見しごともあらず荒れにける 影ぞ昔の春の夜の月