- 歌の意味
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今は誰が住み、誰が眺めているのだろう。古い都吉野の宮の、澄んだ春の夜の月を。
- 鑑賞
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春歌 100
詞書は前の歌に続き「故郷春月」
かつて離宮のあった吉野の宮の跡に、今は誰が住み、誰がこの春の夜の月を眺めているのだろうかと思いやる歌である。昔の人々がいなくなった古い宮の跡を照らす月に、時の流れへの感慨を重ねている。賀茂真淵は合点を付している。
初句「たれすみて」の「すみ」は「住み」と月が「澄み」とを掛ける掛詞で、誰が住んで、また月が澄んでの意を重ねる。
二句「誰眺むらむ」は、初句の「たれ」を重ねて問いを強め、「らむ」で現在の推量を示し、ここで句切れとなる。
三句「故郷の」は題の「故郷」を受ける。
四句「吉野の宮の」は、本巻の第七首の「故郷立春」でも詠まれた吉野の離宮である。巻の前半では春の訪れを、ここでは春の夜の月を、同じ吉野の宮で詠んでいる。
結句「春の夜の月」は体言止めで、前歌の第九十九首と同じ結句である。
すむ:「住む」と、月が「澄む」とを掛ける
よしののみや:大和国吉野にあった離宮
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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故郷は見しごともあらず荒れにける 影ぞ昔の春の夜の月
- 次の歌
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住吉の松の木隠れ行く月の 朧に霞む春の夜の空