- 歌の意味
- 住吉の松の木陰に隠れながら渡っていく月が、朧に霞んでいる春の夜の空よ。
- 鑑賞
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春歌 101
詞書「海辺春月」
住吉の浜の松の木陰に見え隠れしながら渡っていく月が、朧に霞んでいる春の夜の空を詠む。海辺の松と朧月という優美な取り合わせで、春の夜の情趣を描いている。賀茂真淵は四句と結句がふさわしくないと評している。
類従本では雑部に収める。
初句「住吉の」は摂津国の歌枕で、松の名所として知られる。
二句「松の木隠れ」は、松の木の陰に隠れることを示す。
三句「行く月の」は、空を渡っていく月を示す。
四句「朧に霞む」は、月がぼんやりと霞んでいるさまで、真淵がふさわしくないと評した句である。
結句「春の夜の空」は体言止めで、本巻の第九十八首と同じ結句である。本巻の第八首の「海辺立春」と同じく海辺の題で、春の始めと春の夜とを海辺の松によって詠んでいる。
こがくる:木の陰に隠れる
すみよし:摂津国の地名。松の名所
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- たれすみて誰眺むらむ故郷の 吉野の宮の春の夜の月
- 次の歌
- 難波潟漕ぎ出づる舟の目もはるに 霞に消えて帰る雁がね