山吹の花の盛りになりぬれば
井手のわたりに行かぬ日ぞなき
- 歌の意味
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山吹の花の盛りになったので、井手のあたりに出かけない日はない。
- 鑑賞
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春歌 114
詞書は前の歌に続き「河辺款冬」
山吹の花が盛りになると、その名所である井手のあたりに毎日のように出かけてしまうと詠む。花の盛りを見逃すまいとする、山吹を愛でる心がまっすぐに表れた歌である。
初句「山吹の」は、前歌の第百十三首と同じ詠み出しである。
二句「花の盛りに」は、山吹の花の最も美しい時期を示す。
三句「なりぬれば」は、完了の「ぬ」の已然形に「ば」が付いた確定条件で、盛りになったのでの意である。本巻の第四十四首と同じ形である。
四句「井手のわたりに」の「井手」は山城国の地名で、山吹と蛙の名所である。「わたり」はあたりの意である。
結句「行かぬ日ぞなき」は係助詞「ぞ」と形容詞の連体形による係り結びで、毎日出かけることを強調する。本巻の第二十四首が花の盛りを見過ごす家を戒めたのと響き合う。
ゐで:山城国の地名井手。山吹と蛙の名所
わたり:あたり、付近
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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山吹の花のしづくに袖濡れて 昔おぼゆる玉川の里
- 次の歌
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玉藻刈る井手のしがらみ春かけて 咲くや川瀬の山吹の花