- 歌の意味
- 春雨の露が宿る花を吹く風に、露がこぼれ落ちて、いっそう美しく照り映える山吹の花よ。
- 鑑賞
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春歌 121
詞書「雨の降れる日款冬をよめる」
雨の日、春雨の露を宿した山吹の花に風が吹き、露がこぼれ落ちて花がいっそう美しく照り映えるさまを詠む。露をまとった山吹の黄色が、風によってきらめく一瞬を捉えている。賀茂真淵は二句と四句が後の世の詠みぶりだと評している。
初句「春雨の」は、詞書の「雨の降れる日」を受ける。
二句「露の宿りを」は、露が宿る所すなわち花をいい、本巻の第五十四首と同じ句である。真淵が後の世風と評した句である。
三句「吹く風に」は、露を散らす風を示す。
四句「こぼれて匂ふ」は、露がこぼれて花が美しく照り映えるの意で、これも真淵が後の世風と評した句である。
結句「山吹の花」は体言止めで、本巻の第百十五首、第百十六首、第百十九首と同じ結句である。
やどり:宿る所、仮の宿
にほふ:美しく照り映える
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- わが宿の八重の山吹露を重み うち払ふ袖のそぼちぬるかな
- 次の歌
- わが心いかにせよとか山吹の うつろふ花にあらし立つらむ