散り残る岸の山吹春深み
この一枝をあはれといはなむ
- 歌の意味
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散り残っている岸の山吹の、春も深まった今のこの一枝を、しみじみいとしいと言ってほしい。
- 鑑賞
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春歌 124
詞書は前の歌に続き「款冬の花を折らせて人のもとにつかはすとて」
前歌と同じく、山吹の花を人に送る際の歌である。春も深まって散り残った岸の山吹の、この一枝をいとしいと言ってほしいと願う。送る一枝に心を込め、相手からの言葉を待つ思いを表している。
類従本では結句を「あはれといはん」とする。
初句「散り残る」は、前歌の第百二十三首の四句を初句に移したものである。
二句「岸の山吹」は、前歌の結句の語を受けている。
三句「春深み」は前歌の三句と同じ句で、前歌と語句を入れ替えて配置している。
四句「この一枝を」は、折らせて送る一本の枝を示す。
結句「あはれといはなむ」の「なむ」は他に対する願望で、いとしいと言ってほしいの意である。前歌の「あはれとも見よ」が見ることを求めたのに対し、ここでは言葉を求めており、二首が対をなしている。
ひとえだ:一本の枝
ちりのこる:散らずに残る
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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おのづからあはれとも見よ春深み 散り残る岸の山吹の花
- 次の歌
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春深み嵐もいたく吹く宿は 散り残るべき花もなきかな