眺めこし花もむなしく散り果てて
はかなく春の暮れにけるかな
- 歌の意味
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物思いにふけりながら眺めてきた花もむなしく散り果てて、はかなく春は暮れてしまったことだ。
- 鑑賞
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春歌 126
詞書は前の歌に続き「春の暮をよめる」
春の間ずっと眺めてきた花もむなしく散り果て、はかなく春が暮れてしまったと嘆く歌である。花とともに過ごした春を振り返り、その終わりのあっけなさを惜しむ心を素直に詠む。賀茂真淵は初句について、「ながめこし」はこの頃の人が思い誤ったままの言い方だと評している。
初句「眺めこし」は、物思いにふけりながら眺めてきたの意で、真淵が思い誤った言い方と評した句である。
二句「花もむなしく」は、花もかいなくの意で、本巻の第八十一首の「咲きてむなしく」と響き合う。
三句「散り果てて」は、すっかり散ってしまっての意で、前歌の第百二十五首の「花もなき」を受ける。
四句「はかなく春の」は、あっけなく春がの意である。
結句「暮れにけるかな」は、完了「ぬ」と「けり」に詠嘆の「かな」が付いた形で、春の暮れへの嘆きを表す。本巻の第九十六首の「春の暮れぬる」に続き、春の終わりを確かめている。
ちりはつ:すっかり散ってしまう
ながむ:物思いにふけりながら見つめる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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春深み嵐もいたく吹く宿は 散り残るべき花もなきかな
- 次の歌
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いづかたに行き帰るらむ春霞 立ち出でて山の端にも見えなくに