五月待つ小田のますらをいとまなみ
堰き入る水に蛙鳴くなり
- 歌の意味
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田植えの五月を待つ田の男たちは暇がないほど忙しく、せき止めて引き入れた水の中で、蛙が鳴いているようだ。
- 鑑賞
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夏歌 138
詞書「夏の歌」
田植えを控えた農村の初夏の情景を詠んだ歌である。準備に追われる田の男たちの忙しさと、田に引き入れた水の中で鳴く蛙の声とを組み合わせ、生き生きとした季節の営みを描いている。
底本の注記によれば、原本では四句の字句が異なり、校訂者が類従本によって「せき入る」と改めたもので、ここではその改訂に従う。定家所伝本では四句を「せきいるる水に」とする。
初句「五月待つ」は、田植えの季節である五月を待つの意である。
二句「小田のますらを」の「小田」は田のことで、「を」は接頭語である。「ますらを」はここでは田で働く男たちを指す。
三句「いとまなみ」は、暇がないのでの意で、形容詞の語幹に「み」が付いて原因や理由を表す語法である。
四句「堰き入る水に」は、水をせき止めて田に引き入れたその水にの意である。
結句「蛙鳴くなり」の「なり」は音によって推定する助動詞で、声によって蛙の存在を感じ取っている。
をだ:田。「を」は接頭語
ますらを:立派な男子。ここでは田で働く男
せきいる:水をせき止めて田に引き入れる
かはづ:蛙
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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神祭る卯月になれば卯の花の 憂きことの葉の数やまさらむ
- 次の歌
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郭公必ず待つとなけれども 夜な夜な目をも覚ましつるかな