時鳥聞くとはなしに武隈の
まつにぞ夏の日数経ぬべき
- 歌の意味
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ほととぎすの声を聞くというわけでもなく、武隈の松ではないが、ただ待つことで夏の日数を過ごしてしまいそうだ。
- 鑑賞
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夏歌 140
詞書は前の歌に続き「待郭公」
ほととぎすの声を聞けないまま、待つことだけで夏の日々を過ごしてしまいそうだと嘆いた歌である。陸奥の歌枕「武隈の松」の「松」に「待つ」を掛け、待ちわびる心を歌枕の名に託している。
底本の注記によれば、三句は原本に「たけまの」とあり、校訂者が類従本と定家所伝本によって「たけくまの」と改めたもので、ここではその改訂に従う。
初句「時鳥」は、前歌に続いて待つ対象を初めに示す。
二句「聞くとはなしに」は、聞くというわけでもなくの意で、次歌の第百四十一首の二句と同じ句であり、二首が並んで待つ心を詠んでいる。
三句「武隈の」は、陸奥国の歌枕で、二本の幹を持つ松として古くから詠まれた武隈の松を導く。
四句「まつにぞ」の「まつ」は、武隈の松と待つ意を掛けた掛詞で、「ぞ」は係助詞である。
結句「夏の日数経ぬべき」の「ぬべき」は、きっと…してしまいそうだの意で、「ぞ」の結びとして連体形で結ぶ。
たけくま:陸奥国(今の宮城県岩沼市)の歌枕。武隈の松で知られる
まつ:武隈の松の意と、待つ意を掛ける
ふ:時が過ぎる、経る
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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郭公必ず待つとなけれども 夜な夜な目をも覚ましつるかな
- 次の歌
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初声を聞くとはなしに今日もまた 山時鳥待たずしもあらず