初声を聞くとはなしに今日もまた
山時鳥待たずしもあらず
- 歌の意味
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初音を聞くというあてもないのに、今日もまた、山ほととぎすを待たないわけではない。
- 鑑賞
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夏歌 141
詞書は前の歌に続き「待郭公」
聞けるあてもないのに、今日もまた山ほととぎすの初音を待ってしまう心を詠んだ歌である。「待たずしもあらず」という打ち消しを重ねた言い方で、待つまいとしながら待ってしまう心の揺れを表している。
初句「初声を」は、その年に初めて聞くほととぎすの声、すなわち初音をいう。
二句「聞くとはなしに」は前歌の第百四十首の二句と同じ句で、聞けるあてもないのにの意となる。
三句「今日もまた」は、これまでも待ち続けてきたことを示し、待つ日々の重なりを表す。
四句「山時鳥」は、山にいるほととぎすをいい、まだ里には出てこない初夏のほととぎすを示す。
結句「待たずしもあらず」は、待たないわけでもないの意で、打ち消しを重ねて待つ心を控えめに認めている。本巻の第百三十九首の「必ず待つとなけれども」と同じく、待つ心を正面から言わない趣向である。
はつこゑ:その季節に初めて鳴く声、初音
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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時鳥聞くとはなしに武隈の まつにぞ夏の日数経ぬべき
- 次の歌
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夏衣たちし時よりあしひきの 山郭公鳴かぬ日ぞなき